ニコス堂鍼灸院

ニコス堂鍼灸院

平成6年に設立した、鍼灸本来の伝統治療を行なっている鍼灸院です。
身体の故障の治療はもちろん、身体のメンテナンス、リセットにも独自のノウ・ハウがあります。

08/10/2020

このFaecbookページに掲載しておりました「森立之小伝」は新しく作ったインターネット・サイトに転載しました。
サイト名は「枳竹鍼房(しちくちんぼう)」と名づけ、ニコス堂による、鍼灸古典と森立之研究のサイトです。

立之を研究する人は、少ない人数ですがおります。しかしながら、それは医史、あるいは湯液の観点からであり、鍼灸の立場から森立之を見ようとするものは少ないようです。

私はこうした中にあって、鍼灸師である自分の立場から森立之を見たいと思っています。これはもちろん、医史・湯液について十全な知識を得ることが困難であるということの言訳でしかありませんが、鍼灸をもとにした臨床家の立場から立之を論ずるということでは画期的なことだと考えています。

言うまでもなく、森立之も臨床家の一人であり、また素問の注釈家の中にも、王冰、楊上善といった人たちは臨床家であり、とりわけ立之は楊上善の注釈のしかたに強い影響を受けていることに、最近私自身も気がつきました。

そんなことよりも、「枳竹鍼房」の在り処をお知らせせねばなりません。今後は下のサイトを時折はご覧になって、私の遅々として進まぬ勉強を叱咤して下さいますようお願いいたします。
http://mori-risshi.net/index.html

14/08/2020

「ニコス堂マッサージとお灸の教室」
2020年度のクラスは、7月から開始いたしました。

今年度は、これまでの5年間の仕上げとして、
幕末から明治にかけての世界的な本草学者であり、
考証医家である森立之を本格的にとりあげます。

8月(8/16)は「森立之の生涯 2」として、
伊澤榛軒と立之の師弟関係・交友関係に焦点を当てます。

目下、新型コロナ・ウィルス禍にありますので、参加者を制限して行っております。

興味のある方は、7/19 の資料を閲覧できますので、ご覧下さい。
「森立之の生涯 1http://nikosdou.net/somon_PDF/note_somon_biograpy_RisshiMori_1.pdf

21/07/2020

< 慢性の咳にお灸が効く >

患者さんは80代の男性で、脊柱管狭窄症の治療に毎週見えている方でした。足の力が抜けてしまうことの他に、咳が出て止まらなくなるのだと仰います。新型コロナ・ウィルス流行の折から、人前で咳をするのは憚られるので大変困っているということです。

昔は、結核の治療もお灸でやっていました。私の私淑する森立之先生は江戸から明治時代の人ですが、江戸時代には、結核・梅毒・痘瘡が三大病で、当時の医師たちは何とかこれを治そうと努力しました。

結核については、当時から「四花患門の灸」という有名な灸法がありました。森先生も「蘭軒醫談(らんけんいだん)」という本のなかで、この「四花患門の灸」がどの穴(ツボ)のことであるか、他流派の医家の論と比較をしています。「四花患門の灸」は取穴法がたいへん難しいのですが、こういう場合はたいてい、その書いてある場所の周辺の反応点をとれば効くようなので、私はあまり悩まないようにしています。

当院の患者さんも、「四花患門」のあたりを診るとゴリゴリした筋のある場所がありました。恐らくここだろうということに決めて、腰の治療の度ごとに太めの金鍼をし、お灸をすえました。こういう場合、お灸は直接肌にすえなければ効きません。私は、これだけは厳密に行なっています。

脊柱管狭窄症は、私の場合ほぼ15回で治ります。咳の鍼・灸も2度目のときから行ないましたので、腰の治療回数とほぼ同じです。膝・腰の痛みはおさまり、歩行距離もずいぶん伸びてきているようです。「咳はどうですか?」と恐るおそる聞いてみたところ、あっさりと「咳もずいぶん少なくなりましたよ」と言われました。

ちょっと拍子抜けしましたが、「咳で苦しんでいるときには、気になって仕方がなかったが、出なくなると忘れてしまっているものだね」と仰います。とは言っても、治療の間にはまだ出ることがあります。もう少し、腰の治療とともにつづけた方がよさそうです。

もう一人、肺マック菌感染症の患者さんに、自宅でお灸をすえてもらっています。これについてもよい結果が報告できれば、ここに書きたいと思っています。
http://nikosdou.net

09/07/2020

< マッサージで腰痛が悪化? >

マッサージした結果、腰痛が悪化するというのは、残念ながら時々あることです。腰痛を起している筋肉は、炎症を起こしています。炎症を起こしている筋肉を揉めば、お分かりのように、炎症はもっとひどくなります。火傷している皮膚を、さらに温めるようなものです。

炎症を起こしている筋肉の場合、指圧なら改善が期待できます。指圧の特長は、集注圧・持続圧・垂直圧といわれるように、揉む=捏ねるわけではないので、炎症箇所を悪化させることは、とりあえずありません。

人の手を用いる療法で、もっとも改善が期待できるのが足をマッサージする方法です。これなら捏ねても大丈夫です。下肢の筋肉全体をほぐすことで、腰の筋肉もほぐれます。腰~下肢全体の緊張がほぐれて、血行がよくなります。私も、駆け出しで、まだ鍼に自信がないときは、腰痛の患者さんには、ます下肢にマッサージをしていました。

ぎっくり腰の患者さんの場合も、まずは下肢に鍼をします。マッサージの場合は、下肢の筋肉を弛めることになりますが、鍼の場合は、腰に充満している気を下肢に引いて流すことになります。原理はどちらも同じです。いったん下肢に鍼をして、腰にも鍼ができるようならしますが、それで腰の緊張があまり変わらないようなら、無理にはしません。それを押して鍼すると、確実に悪化します。これも、マッサージと原理は同じです。

当院の患者さんは、40代の女性でした。一度、当院で鍼をして腰痛は軽くなったのですが、その後、整骨院に行ったところ揉まれたそうです。自分でも、様子が変わらないというより、むしろ悪化したように感じ、明くる日は全く立てなくなったそうです。当院にも家族の運転する車で見え、杖をつく姿は腰に全く体重がかけられない様子でした。

この患者さんは、幸いにその日の内に腰にも鍼ができ、一週間・4回の治療で完治しました。
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28/06/2020

< 梅雨の湿気で胃腸が弱る >

今年も梅雨がやってきました。自転車で治療院に来ることのできない日が増え、子供と外で遊べない日がふえてきました。患者さんも、胃腸の調子をくずしている人が多くなっているようです。

腰の痛み、肩こり、頭痛などの、よくある症状も胃腸の調子はおおいに影響があります。中国の古典医書にも「脾は湿を悪(にく)む」と書いており、脾=消化器全般は、外気の湿度をきらうとしています。

この湿は、いま外気の湿気だといいましたが、広くは胃腸に在る消化物もふくめて、こう言います。未消化の食物、先へ流れずに途中で滞留している胃粥、腸の途中で留まっている未消化物など。その水分も消化器にとっては、良いものではありません。

これはたんに「湿」ではなく「痰」と呼ばれ、これをどう解消するかは、漢方医学では重要なテーマです。現代でも外気の湿気と、この痰とは相俟って、われわれの体におおいに悪さをしかけています。気温が上がって、つい飲みたくなる冷たい飲み物、お昼に食べる冷たい麺類や生野菜・果物なども、この痰の原因となります。

当院の患者さんは、頭痛を訴える、小柄な女性でした。胃のあたりを触診すると、胃が硬い塊になって、その上の皮膚が冷えびえとしています。これでは肩も凝るでしょうし、頭も痛むでしょう。背中や腰に痛みを感じるかも知れませんし、倦怠感がつよく、根気が続かなくなっているかも知れません。冷え症の人なら、膝から下に感じる冷えが、さらに強く感じられるでしょう。

こうした患者さんは、主訴の頭痛を治療する前に、胃を治さなくてはなりません。これを治す穴(ツボ)は、足の甲にあります。
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01/06/2020

< 足底筋膜 >

鍼治療には、いくつか万能の穴(ツボ)というようなものがあって、そこに鍼をしさえすれば、大抵のものはほとんど治るツボがあります。どれもよく知られたツボなので、しばらく臨床をやっている先生に「それは、○○で治るよ」と言うと、怪訝な顔をされます。そんな誰でも知っているような穴で、あの難しい症状が治るのですか? という顔です。

「治るからやってごらんなさい」と言うと、「どう刺せば治るのですか?」と聞かれます。それは本当は教えない方が、その先生のためになるのですが、教える時もあります。しかし、将来力をつける先生は「どう刺せば治るのですか?」とは絶対に聞きません。聞いてくる先生は、依頼心の強い先生です。

足底筋膜炎は、私にとっても治しきるのが難しい症状のひとつでした。整形外科でも運動法をすすめてくれるだけで、決定的な治療法はなかったと思います。当院の患者さんは50代の男性でした。診ると、足の後ろの筋がずいぶん突っ張っているので、腰の治療をしたところ、足の裏の痛みはすっかり治まっていました。

私自身もびっくりして、もう一人、60代の女性患者さんにも試みてみたところ、これも治まりました。な~んだ、こんなことで治るのか、といった気分でした。取った穴は、腰の治療には、ほとんど漏れなく使われる穴です。結局、これまでの自分の考えが足りなかっただけだったのです。私が気づかないだけの、赤面ものの治療法は、もっとあるのではないかと反省しています。
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19/05/2020

< 尿管結石の痛み >

目下は新型コロナ・ウィルスの嵐が吹き荒れていますが、ウィルス性肺炎だけでなく、他の病気で大きな痛みをかかえて鍼灸治療にいらっしゃる方もいます。その一つが尿管結石痛で、痛みのなかでは最も痛い部類の病に入るそうです。実際に、泌尿器科の医師も自分の体験から痛かったと書いています。(https://kodairaurology.jp/尿路結石の発作について)

これを書いている私も、経験があります。夜中に体の奥でツーンと痛みだし、何をどうしても止まりません。体をよじっても、上を向いても下を向いてもダメです。
(http://nikosdou.net/rinsho_rarecases/rarecase_13_ureteral%20stones.html)
私の知人の女性も「あれは痛い。出産の陣痛より痛かった」と言っていました。彼女は子供を7人も産んだ人ですから、やはり何と言っても痛いのです。

いろんな患者さんや知人の意見から、痛み止めも効かないし、とにかく石が膀胱まで落ちてしまうのを待つだけだと聞きましたが、今回の患者さん(50代男性)も同様のことを医師から言われただけでした。悪いことに石が複数あるらしく、何度も痛みが繰り返すということです。いちど痛みだすと12時間ほど続くが、本当につらいということでした。

私の先生は、足くびに鍼をしてこれを落としていました。私もこれまで同様に行ないましたが、これで痛みの発作は3時間ほどに縮まったということでした。それでも実際に3時間苦しみ続けるのは酷ですので、3度目の治療の際、お尻から鍼をしました。

この穴(ツボ)は、私の知っている中でも最高度に身体の弛む穴です。腎臓から膀胱までの尿管の途中に石が引っかかって痛むのですから、鍼治療としては、尿管を弛めて石が通る手助けをすることになります。

この鍼をした夜、患者さんは今回、最もつよい痛みに夜中に襲われて、やはり3時間ほど苦しんだそうですが、それが終ると痛みはウソのようになくなったそうです。その後は、腎臓から石も落ちてこなくなったのか、まったく楽になったといいうことでした。

これまで、自分も含めて何人かの尿管結石痛の治療をしてきましたが、治療院で石が落ちてしまって治った人はいません。家に帰ってから楽になったという方ばかりでしたが、確実に石は落ちて痛みは治まります。ぜひ、このような発作の時は、鍼灸の力を借りることも考えてみてください。
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09/05/2020

< 『新しい生活様式』に沿って >

100年に一度というウィルス禍にあって、日本では当初より、人・物・金を少しだけ回しながらウィルスを封じこめようという戦略がとられました。したがって、収束までには欧米各国や、中国・韓国より少々時間がかかるものと思われます。

そうした事情を見すえて、政府からは「新しい生活様式」という指針が提示されました。これを見れば、頑としてウィルスを寄せつけないために日常生活で何が必要か、納得できることばかりです。ニコス堂鍼灸院でも、当分のあいだは、この指針に則って、患者の皆様にも治療院のなかでは過ごしていただきたいと思っております。

1.手洗い・・・治療院の洗面台に、石けん、ペーパータオル、紙コップが備えつけてあります。ベッドサイドのハンドサニターも、ご活用ください。
2.マスク・・・治療中もマスクは着用してください。
3.換気・・・常時、換気扇を作動させています。
4.身体的距離の確保・・・治療者と患者様の間については、難しいところがありますが、患者様どうしが対面・接近することのないようにしています。
5.このために、患者様の治療は1時間に1人、40分程度と致します。鍼灸治療としては、40分あれば十分な治療ができます。
6.インターバルの時間は、ベッド、およびベッド・サイドの消毒・除菌などに充てられます。
7.治療着は、可能であればご持参ください。

これは、新型コロナ・ウィルスにたいするワクチンが行き渡るまで続けられなければなりませんが、危急の際ですので、 ぜひご協力をお願いいたします。
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27/04/2020

< GWも、変らず治療いたします >

4月はじめに日本に非常事態宣言が発出され、その期限は5月6日ということでしたが、この様子ではゴールデン・ウィークが明けても解除となる見込みはなさそうです。私も鍼灸師として、一日本人として、この新型コロナ・ウィルス禍の推移を注意深く見守ってきました。また、このウィルスについて知見を得ようともしてきましたし、このような病禍の意味を考えてもみました。

日本の政府も数々の施策をうち出しており、これまで国内の死亡者を334人に抑えているのは素晴らしいことです(4/25現在)。総理大臣以下、政府の人たちも人間ですから、正しい施策ばかり行えるわけではなく、間違ったものも多々あるでしょう。そうした中のこの死亡者ですから、私は称えたいと思います。

おおくの報道や識者の見解のなかで私の興味をもっとも引いたものは、歴史的な観点からの見解でした。先日ダイジェストした速水融『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ 人類とウィルスの第一次世界戦争』の本もそうですが、同じように週刊文春に発表された、鹿島茂(フランス文学者)と出口冶明(ライフネット生命保険創始者・立命館アジア太平洋大学学長)の対談が出色でした。

ここには、ウィルスや細菌に感染するたびに、人間が免疫を獲得して強い肉体を得て来た歴史が述べられています。災厄のたびに、人間の社会は大きなダメージを受けてきましたが、それを克服する技術・文明も生みだし、もっと強い社会を築いてもきました。

生物学者の福岡伸一は、ウィルスの侵入に対して、人間の細胞が拒否を示すのではなく、それを受けいれるような振舞いを見せると言っています。人間の免疫獲得は、自然のままでは母親からの垂直獲得だけですが、ウィルスや細菌の侵入を受けることで、水平獲得を可能にしているという見方ができるということです。

今回のCOVID-19の蔓延にともなって、私達はすでにテレワークやテレ授業を実現しています。この病禍が終わったあとには、ITをもとにした社会がいっそう進化することでしょう。その是非はともかくとして、こうした利便性については、当然考えてみなくてはなりません。

そうした現実からもっとも遠いところにあるのが、私の鍼灸の世界なのですが、それについては、ひとまず瞑目しなければなりません。そのついでに、ニコス堂鍼灸院のこれからについても一言申し上げたいのですが、GW中も従来どおり、水曜のみの休診日で治療をつづけます。

これについての改定策として、患者様を一時間に一人と限定して、治療の時間も40分程度といたします。可能な限り、患者様どうしの対面・接近を避けるためです。そしてインターバルの時間には、ベッドおよび周辺の殺菌・除菌に努めることといたします。

前回も申しましたが、当院の患者様のなかには、家族や交通の都合で、治療を中断している患者様もいらっしゃいます。その反面、やはり鍼灸の治療を受けなければ、体調が維持できない、災厄の時であっても鍼の治療で自分の体を改善して行きたい、という方が少なからずいらっしゃるのです。私は自信を持って、ニコス堂の鍼灸は、そうした要望に応えられると申し上げます。
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14/04/2020

< 共鳴現象 >

患者さんのお腹に鍼をしているのに、私のお腹がグルグルと鳴ることがあります。患者さんのお腹を動かしたいのですが、私のお腹が動いてしまうのです。不都合なことですが、たびたびあることです。

昨今の新型コロナ・ウィルスの病禍は、人間の精神にも影を落としているはずです。日本が60年代安保闘争で揺れていた時代、統合失調症の患者さんの病状も、全国的に激しい出方をしていたと読みました。「うつ」の患者さんを治療しながら考えていたことです。これも世情と、その時代を生きる人間との共鳴現象です。

他日、ある患者さんのお腹に鍼をしたところ、「鍼をしたとたんに、お腹が動き出しました」と言われました。実はこの時も、私のお腹が鳴りはじめていて、患者さんの腹鳴が聞こえなかったのです。これでは治療家として失格ですが、自分のお腹が鳴るくらいだから、鍼も効いているのだろうと思うことにしています。

お腹に鍼をするのは、全身の気の流れをよくするためで、いくつか方法がある中でも、もっとも簡便で効果の大きい方法です。「気」とは何ですか? というのも、よく訊かれることですが、「生命力」だと考えると、いちばん分りやすいのではないでしょうか。

人間の身体も動植物の身体も、NHKのテレビで解説しているような、物質交換で生命を保っているわけではありません。物質交換させている、その本体=生命が問題なのです。

気の流れが良好であれば、その後の治療はすべていい結果が出てきます。鍼治療が、気の治療であると言われる所以です。
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11/04/2020

目下、新型コロナ・ウィルスが世界的な規模で感染を広め、この4月7日より日本でも緊急事態宣言が発出され、10日からは東京都で各種職業・施設にたいして営業自粛要請が出されました。

こうした病禍は歴史的に見れば、くり返し人間を襲ってきました。もっとも近い1917~1919年のスペイン風邪(H1N1型インフルエンザ)では、日本だけで45万人以上、世界的には世界人口20億人の時代に3,000万~4,500万人が死亡しています(⇒)。今回では73,000人が亡くなっていますが(4/7現在)、対ウィルス医療、衛生観念、ワクチン技術などが大幅に進歩した現在では、これほどの大惨禍になることは考えにくいと思います。

これより先、私たちにも外出の自粛がつよく求められるようになり、当院でも治療を自粛すべきか考慮しました。また患者様のなかには、自宅に高齢のかたが同居している、重病の同居者がいる、電車・バスでの通院に不安があるなどの理由で、通院を自主的に中断している方もいらっしゃいます。

その一方で、新型ウィルスの禍中にあっても、日頃からの鍼灸施術をもとめる患者様の強い声があります。今回は、こうした声に押される形で治療をつづけることと致しました。

これには、当院の治療形態が一対一であることや、院内にとどまる患者の数が、多くの場合1名であることを、患者様自身がよく御存じであることが、おおきく影響していると思います。

また多くの方がご存知のように、鍼灸師は厚生労働省の資格にもとづく国家資格であり、「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」(法律第217号)のもと、地域医療のために貢献している代替医療です。

緊急事態宣言はゴールデン・ウィーク明けを目途に発出されましたが、当院ではこれまで以上に、手指や治療器具などの消毒に加えて、各部の除菌・清拭に意をはらって施術に励む所存です。皆様の上に、この新型ウィルスの災厄が及ぶことのないよう、心からお祈りいたします。
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05/04/2020

< ウィルス禍中で(2)・・・戦争・疫病と文明 >

私が思うのは1894年の日清戦争、1904年の日露戦争を経験して、世の中が変わりすぎたと感じた日本人も少なからずいたのではないか。天命という言葉があるが、その変化が天命に背いていなかったか、疑問とした者は少なくなかったはずだが、時代は太平洋戦争にむかって加速して行った。

太平洋戦争の後、日本人は皆々大正8年に戻りたいと願ったという。大正8年ならスペイン風邪の流行った1919年だから、その流行まえが戦前の日本のもっとも栄えた時期だったのである。大正8年には、今あるものはテレビとPC以外は何でもあったという。戦争が終わって国民皆で大正8年にもどりたいと願って、戦後からバブルのはじける1991年までを見れば、大正8年の夢は戦後さらに加速したのである。天命を違えていると感じたものはいたが、それは少数でしかなかったのである。

目下、新型ウィルス禍の真っただ中で、人が憂えているのは自分と家族の命の次には、どうも経済の失速についてのようだ。命があっただけでも有難いだろうに、道徳でもなく、教育でもなく、まずは経済の心配をしなければならないのはなぜか。テレビに映るものがまずは国土の荒廃=経済の荒廃だからなのか。

私はこの青天の霹靂のようなウィルス禍によって、あるいは世の中が変わるのではないかと期待した。日本人の頭の中身はどんどん希薄になり、気概も失われ、それとともに国力も失われてゆく。何よりもいま最も力を入れなければならないのは教育だろうに、目の前の生活のことにしか人の目は向かない。だが、歴史をふりかえれば、そうした期待は諦めるしかないのか。禍いの後には、歴史は悪い方へさらに加速してきたのだ。

見よ、これは聖書といって、神の御業が書かれた聖なる書物である、と宣教師は文字を持たない土地の民に示したという。「神の言葉ではない。紙のうえに踊っているのは、悪魔の姿だ」と土地の者は、はじめて見た文字をさして言ったという。悪魔はいつも文明の姿をかりて我々のまえに現れる。

この挿話が、誰のどんな本に書かれていたものか私は長年知りたいと思いながら、果たせないでいる。ルドルフ・シュタイナーの本に紹介してあったのだが、そのシュタイナーの本さえ、いずれのものか分らなくなってしまった。

05/04/2020

< ウィルス禍中で(1)・・・戦争と疫病 >

漢書、後漢書の史書では、為政者の行ないが正しくなければ、人心も乱れ、戦争が起こり、疫病が流行し、作物が育たず、人が大勢死ぬことに必ずなる。永年、私は戦争と疫病の流行とは関係がないだろう、したがって昔の人の神秘的な考えだと思っていたが、現実に各時代のどんな戦争にも、特有の流行病がついて回った事実を知るにいたって考えをあらためた。

週刊文春最新号(4月2日号)には、鹿島茂が速水融『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ 人類とウィルスの第一次世界戦争』(藤原書店 2006年)をダイジェストしていて興味深い。このインフルエンザは、私にとっては内田百閒を貧窮におとしいれ、その後、名作『大貧帖』を書かしめたインフルエンザでしかなかったが、今回その全貌を知った。

この最初の兆候は1918年春、欧州の第一次大戦に出征する、米国新兵のあいだに広まり、日本にも先触れていどに来た。その後、5,6月に中立国のスペインに広がり、塹壕戦を展開中の独仏間に広まったので、スペイン風邪と呼ばれるようになった。独軍を指揮していたルーデンドルフは、マルヌの戦いの敗北の原因は、新規参戦の米軍ではなくスペイン風邪だと回想しているという。

当時また死亡者は少なく7月には消滅したかに見えたが、世界を一周した後、翌18年8月になってフランス西部と、アフリカのシエラ・レオネで狂暴化して再現した。その結果、米国から欧州にわたる新兵と、欧州から米国にくる罹患者が米国東海岸で交差し、ウィルスを感染させることになった。

米軍の第一次世界大戦での戦没者は約10万人だが、その8割がスペイン風邪による病死だったという。このウィルスH1N1型が、目下のコロナ・ウィルスと違うのは、若く健康な肉体を好んだところで、米兵から欧州の前線へ、そして全ヨーロッパに広がった。この1919年春のあいだに、世界中を暴れまわったスペイン風邪は夏には終息したかに見えたが、またもや秋に復活した。

19年秋になって、日本は九州から広がりはじめ12月に全国的に流行。東京でも1920年1月には日に300人の死者を出した。この本の著者は、日本に、意外に多く残されている統計資料や、地方新聞記事のあつかうスペイン風邪の侵攻と拡散の実際をもとにし、なおかつ自身の専門である歴史人口学による統計批判をくわえた上で、最終的な合計死者を45万3152人だとしているという。世界的にみた場合、死者は人口20億の時代に2000万~4500万人だったという。

18/02/2020

< 治らない膝の痛みの原因は、坐骨神経ではないでしょうか? >

変形性膝関節症と診断されて、しばらく、あるいは長いあいだ病院に通っている、ヒアルロン酸の注射を打っているのに痛みが治まらない、という話をよく聞きます。こういう場合、たいていは膝の裏の坐骨神経が突っぱっていて、これが膝の痛みの原因です。

腰の痛みが長引いて、好きだった運動ができなくなった。何とかして治してしまいたい。病院では坐骨神経痛だと言われていて、CTもこれだけ撮りました、と画像のCDを持参して下さる患者さんがいました。話をよくよく聞いてみると、坐骨神経が痛んでいるのではなく、もっと深い部分の筋肉の痛みでした。患者さんがお尻をさすって、ここが痛いのだと言うと、病院では坐骨神経痛だと判断してしまいます。

おなじ理由で、膝が痛いと訴えると、まず膝関節のレントゲン写真だけを見て、膝裏の坐骨神経の状態までは診ません。腰の深部筋の痛みも、膝裏の坐骨神経のつっぱりも、手で触ってみれば分るものです。しかし、これをしないということは、画像診断に頼りすぎでいるということで、触診の習慣がなくなっているのです。

目で見える写真を示され、ここが悪いのですと説明されると、人はかんたんに納得します。納得しないまでも、相手に迎合し、感情を害さないように話を合わせます。これは日本人の良いところである反面、悪いところでもあるのではないかと、私は思っています。それで良い結果が出ればいいのですが、少し意地の悪い部分も持っていて、本当だろうかと疑ってみることも大切だと思います。
http://nikosdou.net/

09/02/2020

< 膝のうしろが詰まって歩けない >

膝の痛みというと、大半がレントゲンを撮影の結果「変形性膝関節症」という病名になってしまいますが、皆さんのお話を聞いていると、そうでもないようです。今回の患者さんは、歩いていて、突然に膝の裏が痛くなったそうです。整形外科では、おそらく関節の軟骨を傷めているという診断になるのでしょう。「おそらく」と言うのは、患者さんが病院に行かなかったからなのです。おまけに、一週間後にフランスに行く予定だということでした。

こういう場合、炎症が起きている箇所にじかに鍼をすると、余計に痛みが増します。腰を治療するか、お腹を治療するか迷いましたが、腰に鍼をしました。15分ほど粘ると、痛みは半分ほどになりました。「やった」と思って、最後の仕上げに痛みのある個所に一本鍼をしました。が、これが間違いでした。痛みのある箇所に鍼をしない、と分かっていたのに、一週間後の旅行が気にかかっていて、ダメ押ししたのが悪かったのです。

最後の一本で、すっかり痛みが戻ってしまい、患者さんは足を引きずっています。こういうときは必ず治るものと心に言いきかせて、もう一度、初めからやり直すしかありません。今度は20分粘って、また半分程度の痛みにまで回復しました。

二日後、前回のつづきで腰の治療をしました。すると、ふくらはぎに重さが残るということでしたので、ふくらはぎと脛をつなぐ穴(ツボ)に鍼をして、重さを逃がしました。膝の後ろは、もう少し詰まった感じが残るということでした。

その三日後は膝の前側が痛むということでした。見ると、左右の足の長さが2cm ほど違います。これをお腹に鍼をしてそろえると、痛みは消えました。その後、三度目の腰の治療です。これが終ると、「もうフランスに行っても大丈夫」という言葉が患者さんの口から聞こえました。
結局、膝には失敗した時以外には鍼をしていません。無用なサービス精神が、仇になってしまったのです。以後、厳正に気をつけようと思った次第でした。
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02/02/2020

< 膝が伸びず、自転車に乗れない >

長らく森立之の小伝を書いてきましたが、このアカウントでは、再び日々の臨床について書くことにします。

膝が痛む患者さんは、曲げることも伸ばすこともできません。曲げられないので正座ができない、伸びないので自転車に乗れない、という悩みはよく聞きます。しかし、正座はできなくても、自転車に乗れないのは不便です。歩くと膝が痛むわけですから、自転車に乗って買い物に出かけたいわけなのです。

しかし実際に自転車に乗ってみると、自転車のペダルが下の時は、膝が伸びなくて足が届きませんし、ペダルが上の時も、膝が曲がらないので痛みます。実際的なことを正確に言うなら、直線に近いほどのびて、少しだけ曲がれば自転車には乗れます。

ここまで悪化した膝の鍼治療で問題なのは、何度も治療回数がかかることです。以前、膝関節に鍼をして治療していたころには、私も回数がかかりすぎることに嫌気がさしていました。患者さんは、これまで長年にわたって傷(いた)めてきたのだから仕方がない、と仰いますが、5回も6回も治療を重ねていると、私もこのまま治らないのでは、と恐くなることがありました。

その後、お腹に鍼をすると瞬く間に膝が伸びることが分かって、自信を持つことができました。

当院に通っている患者さんは、昨年の6月から通っている女性です(60代)。この患者さんは、お茶の水にある膝専門の病院にも通っているということで、この病院は手術は極力せずに、現状を改善して治す、そして医師の診断としては、腰が悪いために膝を悪化させているので、腰の筋肉のストレッチをすれば膝の可動域はひろがる、ということでした。

私が診ても、確かに腰椎のあいだが詰まりすぎていたので、腰の治療は必要だと思いました。その後、半年のあいだ、膝関節とこしの筋肉の鍼治療をしたところ、疼痛はなくなりましたが、今一つ膝が伸びてくれません。「今日は自転車に乗っても足がペダルに届かなので、押して歩いてきました」と言われたときには、私も心の顔に汗が吹き出しました。

その日、思い立って腹部に鍼をしてみたところ、仰向けに寝て山なりに曲がっていた膝が、ほとんど直線になっています。ベッドから下りても膝は軽く、痛みもなく、この日は、ふつうに自転車に乗って帰ることができたそうです。これでいいのだと私も得心して、その後、腰にする鍼も方法を変えてやってみたところ、どんどん膝は改善してゆき、病院の医師にも、この調子なら手術の必要はまったくない、と太鼓判を押されるまでになりました。

腹部に鍼をして膝が改善する理由は、気の廻りがよくなるからです。お腹に膝に効くツボがあるわけではありません。その証拠に、この患者さんは治療のあと非常に眠くなって、4時間も昼寝をしてしまったそうです。
http://nikosdou.net/

27/09/2019

< 耳鳴り >

耳鳴りも、出はじめのものは鍼灸でわりあいに楽に止まります。耳の中で、突如としてキーンと鳴るもの、蝉のようにジーと常に鳴っているもの、音や話し声が、耳の中で変に反響して聞きづらいもの、耳が詰って音や声が聞こえにくいものなど、症状はいくつかのケースに分類されます。

当院でさいきん診た患者さんは、70代の女性でした。この患者さんは子宮脱の治療(http://nikosdou.net/lecture%20PDF/lecture41_0107_uterus.pdf )にみえていた方だったので、ついでに耳鳴りも治療しました。症状としては、ジーッという音が近頃おおきくなって、人の話が分りづらいというものでした。

7月はじめから治療を開始して、8月半ばまで7回の治療で収まりました。鍼治療のポイントは、耳のそばに深く鍼をすることで、鍼灸学校では普通に耳鳴りの穴(ツボ)として教えている場所ですが、教科書に書いてあるとおりに鍼をしていても治りません。耳の中にズーンと響く鍼をすれば治ってゆきます。

私の恩師は、私が治療に行くたびに、「響いて感じますか?」と訊いておられました。あの先生くらいの腕があれば、響いているか否かは即座にわかったはずです。しかし、そこを敢えて私に尋ねたのは、響かなくては効果が出せないということを、私に教えるためではなかったかと思います。

先生は、鍼も高価なものを使っておられました。「弘法は筆を選ばず」といいますから、腕のある鍼師は使い捨ての鍼でも充分な結果を出すことができます。しかし、そこも敢えて良い鍼を使ってみせることで、「良い鍼を使え」と教えてくださったのだと、今では分ります。鍼師は、初心者であるほど、オートクレーブで滅菌しながら良い鍼を使うべきなのです。良い道具は、腕の未熟さをカバーしてくれるものだからです。
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治療鍼
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