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[09/03/21]   【時事解説】著作権法、今回の改正のポイントとは その2
記事提供者:(株)日本ビジネスプラン

 著作権法が改正され、図書館の利用者は蔵書や資料をメールやFAXなどで受け取れるようになります。今回の改正では、もう一つ、テレビ番組のネット配信についても、権利処理が円滑化され配信がしやすくなります。

 近年、テレビの番組をネットで配信することが増えました。ネット配信には、テレビ放映との同時配信や追っかけ配信、見逃し配信などがあります。こうした配信の番組では、ときおり、「権利の都合上、映像を使用できません」といったテロップが流れ、テレビでは流された映像が配信では見られないときがあります。

 これは、テレビ番組のほうは使用許可が下りたものの、ネット配信のほうでは許可が間に合わなかったことが要因としてあります。たとえば、バラエティ番組でテレビドラマの1シーンを利用しようとすると、原作者や出演者などに個別に許可をもらうといった、権利処理が必要になります。こうした権利処理に対して、負担が大きいといった声が上がっていました。今回の改正で著作権に関わる手続きが簡素化され、ネット配信や番組で利用する際の許可への負担が軽減されます。

 今後、政府は「知的財産推進計画2021」を決定して、コンテンツなどに関して、一元的に権利処理できるようにし、利用許諾の負担をさらに軽減する方針です。また、アマチュアがFacebookやTwitter、InstagramなどのSNSに投稿した著作物に関する管理の方法も課題となっていました。「知的財産推進計画2021」により、課題解決に進むことが予想されます。

 もともと、著作権法ができたとき、インターネットは存在していませんでした。今後、さらにネットに関する新たなサービスが生まれ、時代に合わせ法改正は続くと予想されます。(了)

[09/03/21]   【時事解説】著作権法、今回の改正のポイントとは その1
記事提供者:(株)日本ビジネスプラン

 2021年6月、改正著作権法が参院本会議で可決、成立しました。主な改正点は以下になります。
①図書館関係の権利制限規定の見直し
②インターネット同時配信に関する権利処理の円滑化

 ①図書館に関する改正により、図書館が蔵書や資料をメールやFAXなどで利用者に送信できるようになります。背景にあるのは、新型コロナウイルスの影響です。書籍の中には、絶版などの理由で手に入りにくいものがあります。このような書籍について、研究者やジャーナリストなどは図書館を活用し資料を集めます。ただ、改正前の著作権法では、図書館が利用者に著作物をメールやFAXなどで送ることは禁じられているので、利用者は基本的には図書館に足を運ばなければなりませんでした。

 昨年、感染拡大防止のため、図書館が利用できない時期があり、研究が進まない、原稿が書けないといった声が上がりました。今回の改正で、利用者は来館せずにメールやFAXで資料等を受け取れるようになります。

 ただ、こうしたサービスには著者や出版社にとって不利益になる可能性を含んでいます。そこで、改正著作権法では、メールやFAXで送信できるのは「著作物の一部分」と定め、加えて図書館は作家らへ補償金を支払うよう義務付けています。とはいえ、補償金の額や一部分の範囲など、詳細は決まっていないため、今後、詰めていくことになります。

 また、国会図書館は入手困難となった書籍の電子化を進め、ウェブサイトで一般の利用者も閲覧できるように取り組んでいます。著作権法の改正により、図書館の利便性はさらに高まることが予想されます。

 ②放送番組の権利処理は、テレビ番組をインターネットで同時配信しやすくするため盛り込まれた規定です。(つづく)

[08/27/21]   【時事解説】採用活動のオンライン化とインターンシップ その2
記事提供者:(株)日本ビジネスプラン

 では、採用選考活動のオンライン化の流れをうけ、オンラインでのインターンシップ推進についてはどのような動きがあるのでしょうか。そこで「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」による2020年度の報告書に基づき、オンライン・インターンシップ推進の動きと、推進に向けた課題についてみていきましょう。

 オンライン・インターンシップについては、時間的・空間的制約等がないことから、ポスト・コロナにおいても有効なインターンシップの一つと考えられており、産学協議会では、オンライン・インターンシップを積極的に推進することで合意されています。一方で、オンライン・インターンシップ推進にあたっては学生側、運営側(企業・大学)双方に課題があります。

 まず、学生側からみた課題について整理すると、対面でのコミュニケーションの欠如による学生の企業理解やモチベーションへの影響があげられます。このため企業側は、学生の集中力が維持する時間を勘案したプログラム構築や、受入れ人数に応じて必要な人数のメンターを配置することなどが求められます。次に運営側からみた課題について整理すると、1点目として現場感の再現の難しさがあげられます。学生が現場を理解するための有効な手段が不足することに対処するため、企業側は現場感を最大限に再現するための工夫が求められます。
 2点目として情報セキュリティ面があげられます。共有できる情報の内容に制限が出るため、社員と同じ作業環境を提供することが困難となり、コンテンツの制限は不可避となります。

 上記のような課題を踏まえつつ、オンライン実施のメリットを最大限に活かしたインターンシップを推進する必要があるのです。(了)

[08/27/21]   【時事解説】採用活動のオンライン化とインターンシップ その1
記事提供者:(株)日本ビジネスプラン

 コロナ禍を受けて、企業の採用選考活動は、例年とは様変わりしています。経団連と国公私立大学の代表者により構成される「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」が2021年4月に公表した2020年度報告書では、採用選考活動のオンライン化による影響や、オンライン・インターンシップの実施などについてまとめています。

 同報告書に基づき、まず採用選考活動のオンライン化による企業への影響についてみると、プラス面としては、地方の学生などこれまで接点を持てなかった学生をはじめ多様な学生との接点が創出できる、採用担当者の業務負担や面接に来る学生への交通費負担など工数・コストの削減などの点があげられます。一方で課題としては、認知度の低い企業ではエントリーが減るなどといった「応募層」に関する課題、学生の企業理解や動機形成が進みにくいなどといった広報、情報発信、コミュニケーション上の課題、インフラや通信環境の整備・改善などといったオンライン化への対応に関する課題などがあげられます。

 次に採用選考活動のオンライン化による学生への影響についてみると、プラス面としては、遠方の企業へのアプローチがしやすい、地方大学の学生も不利にならない、オンデマンド方式の企業説明会に参加する場合、授業や学事日程が阻害されないなどの点があげられます。一方で課題としては、志望する企業の採用選考スケジュールや採用選考プロセス、進捗状況等に関する情報が不十分となる、企業の雰囲気や社風、社員の人柄などがわかりにくいなどの点があげられます。

 このように、採用活動のオンライン化によって、企業側、学生側の双方においてプラス面と課題が存在するのです。(つづく)

[08/10/21]   【時事解説】不祥事を防止するために必要なトップの資質 その2
記事提供者:(株)日本ビジネスプラン

 そこには根強い“前例踏襲、課題先送り”体質があったのだと思います。こうした検査不正問題は、現社長になる相当前から続いていました。そこで、歴代の新任社長は次のように考えたのではないかと推測します。

 「確かに検査不正は問題だが、もう何十年も続いていて発覚していないのだから、大丈夫だろう。もしこれを解決しようとすれば、社内外に相当の軋轢が生じる。これまでの先輩も放っておいて問題なかったのだから、何も今、自分が手を付ける必要はない。自分の任期中に表面化することはないだろうから、自分も放っておこう。先送りしているうちに誰かが解決してくれるだろう。」
 無論、本件は三菱電機の企業体質が主因ですが、日本企業に共通する“前例踏襲、課題先送り”体質も大きな要因として働いたと思うのです。そう考えると、一般企業が学ぶべき教訓も見えてきます。

 経営トップに求められるべき資質は、優柔不断な先輩を見習い、守ることではなく、次代を担う後輩たちに負の遺産を残さないように、どんな障害があろうとも、悪しき前例を取り除く勇気なのだと思います。ただ現実的に考えると、社内秩序を忠実に守り、先輩の覚えがめでたい人たちが昇進し、自分に刃を向けるような人間を遠ざけるのが普通でしょうから、そうした勇気を持った人が経営トップに座ることは難しいのではないか、という気もしてしまうのですが。(了)

[08/10/21]   【時事解説】不祥事を防止するために必要なトップの資質 その1
記事提供者:(株)日本ビジネスプラン

 三菱電機の鉄道車両向け製品の検査不正問題など、一流とされる企業の不祥事が続きます。こうした企業不祥事が起こるたびに繰り返される議論に、取締役や監査役などの社外役員は機能していたのか、というものがあります。

 こうした不祥事は取締役会で議論されなかった可能性もありますから、社外役員は知らなかったかもしれません。つまり、経営トップが隠蔽してしまえば、社外役員がこうした不祥事防止に権限を振るうことはできないのです。
 だからといって、社外役員が免責されるというわけではありません。社外役員が経営全般を把握できるような体制を築くべきだという意見も当然あります。ただ、経営トップがまったく信じられないという前提で、防止体制を構築するとしたら、膨大な時間とコストがかかります。それよりも、そうした不祥事を起こさない経営トップを選任するシステムを構築する方が生産的でしょう。

 三菱電機がこの不祥事を自力で解決できる契機あったとしたら、それは経営トップ、つまり社長の交代時にあったように思います。
 社長が変わった時、検査不正問題の報告を受けていれば、何らかのアクションをとれたのではないでしょうか。社長という最高権力を握ったのですから、やろうと思えばできる権限はあったはずです。できなかったのは、“倫理観の欠如である”という陳腐化した決まり文句で片付けてしまってはいけないのだと思います。(つづく)

[08/04/21]   【時事解説】広がる人工衛星の画像解析 その2
記事提供者:(株)日本ビジネスプラン

 人工衛星の画像を分析し、防災対策やビジネスに活かそうとする動きが広まりつつあります。従来は、データの入手や解析に関する共通の基盤がないため、解析のコストが高い、手間がかかるといった課題がありました。最近は、データベースを提供するサービスも始まり、人工衛星が撮影した画像データは必要なときに引き出せるようになりつつあります。

 また、人工衛星の画像を利用できるプラットフォームも構築されました。プラットフォームの一つ、Tellus(テルース)では、人工衛星12機からデータを収集し、画像や地表面の温度などのデータを提供しています。会員登録でだれでも利用できます。もともと、衛星画像は高価で、1平方キロメートルあたり10万円以上もしました。また、解析はスーパーコンピューターを利用することが多い上、解析で使うツールは100万円以上もします。こうしたことから衛星画像の一般利用は敷居の高いものでした。ところが、プラットフォームができたことで、従来よりも容易にデータが活用できるようになりました。

 近年、衛星データに関する市場には電機メーカーなども参入しています。衛星の観測データを使った防災サービスの実用化などに取り組んでいます。実用化されると、豪雨時の浸水域を把握する、地盤沈下のリスクの高い場所を検出するといったことが可能になります。

 今後は、衛星情報を使った新たなサービスを創出することで、大きな利益に繋がることも期待できます。より多くのサービスが生まれることで、さらに、利用者が増え、衛星画像の市場はさらに拡大することが予想されます。(了)

[08/04/21]   【時事解説】広がる人工衛星の画像解析 その1
記事提供者:(株)日本ビジネスプラン

 人工衛星の画像を分析し、防災対策やビジネスに活かそうとする動きが広まりつつあります。従来、地球の観測は気球や航空機から写真を撮影する形で執り行われていました。ただ、これらは観測できる範囲が限られているため、広範囲を一度に撮影することは難しいとされていました。人口衛星は宇宙から全世界を見渡せる点が大きな特長です。最近は、広範囲に撮影できる衛星画像の有用性が見直されています。

 人工衛星が撮影した画像は様々な分野に活用できます。たとえば、都市における二酸化炭素濃度の変化の算出、風力発電の発電量の把握、さらには山火事リスクの予測などが可能です。また、水田の色を分析し、稲の生育状況を把握して収穫時期を決定するといったことにも活用できます。

 ほかにも、衛星ならではの使い方として、港湾のコンテナの量の変化をとらえるといったことも可能です。観測衛星は3メートルの大きさの物体を見分けることができるので、衛星で撮影した画像を解析することで、港湾に出入りするコンテナを把握することができます。実際、名古屋港では、車やコンテナとみられる物体は2020年3月から減少傾向にありましたが、10月から年末にかけて回復傾向が続いたといいます。そして、2021年に入り、再び減少傾向となっています。画像を解析することで、自動車の販売台数がコロナ禍の影響で増減していることがわかります。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)などが打ち上げた衛星には、地球観測衛星の「だいち2号」や「いぶき2号」、気候変動観測衛星「しきさい」などがあります。撮影した画像を活用するための基盤も整いつつあり、今後、活用はさらに増えることが予想されます。(つづく)

[07/30/21]   【時事解説】長期インターンシップがもたらす効果 その2

記事提供者:(株)日本ビジネスプラン


 では、長期インターンシップを実施する企業側にはどのような効果が期待されるのでしょうか。そこで文部科学省・経済産業省「学生・企業の接続において長期インターンシップが与える効果についての検討会」において実施された調査のうち、長期インターンシップを実施する企業に対するインタビュー調査の結果をみていきましょう。

 インタビュー調査の対象は、長期インターンシップに取り組む企業9社となっており、インタビュー項目は、長期インターンシップ実施状況(インターンシップの種類、実施目的、実施時期、実施期間、プログラムの内容など)、長期インターンシップ効果検証結果、長期インターンシップ活性化に向けた課題となっています。

 上記9社へのインタビュー調査から得られるインターンシップの効果に関する示唆のポイントとしては以下の点が挙げられます。
 1点目として、長期のインターンシップは、企業にとって入社後の定着やパフォーマンスに良い影響を与えるという点です。2点目として、インターンシップ生のキャリア観の醸成にも良い影響を与えるとともに学習意欲向上の効果もみられるという点です。3点目として、社員教育にも良い影響を与え、特に若手社員にマネジメント的実務を経験する場として活用する例も多いという点です。4点目として、学生のアイデアを取り入れる場としても有用であるという点です。5点目として、上記の効果は大企業に限らず、中堅・中小企業でも同様の効果が発揮されており、特に中小企業において地元大学と密に連携する例もみられるという点です。

 このように、長期インターンシップの推進は学生にも企業にとっても、さまざまなメリットがもたらされるのです。(了)

[07/30/21]   【時事解説】長期インターンシップがもたらす効果 その1

記事提供者:(株)日本ビジネスプラン


 わが国の採用形態のあり方が多様化する中で、学生と社会の接続に関する取り組みの一つとしてインターンシップが挙げられますが、就業体験を伴わないものや実質的な選考を含んでいるものが一定程度含まれているなど、多様な活動がインターンシップと称して行われているのが実態です。一方で、インターンシップの推進は学生のキャリア観形成にも効果があるものと考えられます。

 こうした状況を踏まえ、文部科学省及び経済産業省では2019年度に「学生・企業の接続において長期インターンシップが与える効果についての検討会」において、長期インターンシップに関する様々な調査を実施しています。
 上記の調査の中で、学生を対象として実施されたアンケート調査(有効回答数1,373人)の結果をみていきましょう。

 まず、最も長く経験したインターンシップの期間について聞いたところ、インターンシップ未経験者が35.9%、1日が18.3%、2~5日未満が14.7%、5~10日未満が19.2%、10日~1か月未満が8.8%、1か月以上が3.1%となっています。最も長く経験したインターンシップで実施した内容についてみると、インターンシップの参加期間が長いほど、実際の業務に触れられる内容となっています。

 インターンシップの良かった点についてみると、「自分の適性を知った」「自分の弱み・強みを知った」という項目については、インターンシップの期間が長くなるほど満足度が高くなる傾向がみられます。さらに、インターンシップの参加期間が長くなるほど、学修行動における効果が大きくなるとともに社会への関心等も高まる傾向にあります。

 このように、長期インターンシップへの参加は学生にとってさまざまなメリットがもたらされるのです。(つづく)

[07/16/21]   【時事解説】早めの縮小均衡が会社を救う その2

記事提供者:(株)日本ビジネスプラン


 ただ、撤退するにも力(資金)が必要です。力がなくなれば、資金の出し手である銀行も相手にしてくれなくなります。黒字で経営体力のあるうちに撤退戦略が取れるかどうかが経営者の腕の見せ所です。一度縮小すると拡大が困難になるからと、躊躇する経営者もいるかもしれませんが、世の中はカネ余りなのですから、成長戦略さえしっかり描ければ、拡大はいつでもできると割り切るべきでしょう。

 売上拡大という前向きな方向への決断は簡単にできます、撤退という後ろ向きの決断は経営者にとってつらい選択になり、先送りになりがちです。しかし、ズルズルと決断を先延ばしにしていると手遅れになります。いつまでも夢を見ていたのでは会社の存続を危うくします。

 少子高齢化は動かしがたい厳然たる事実であり、日本経済が急拡大する余地は乏しいと考える方が無難です。さらに、各国で貿易制限的措置が取られるなど、世界経済も先行き不透明です。本来、企業は成長を目指すべきものですが、それができないのであれば方向転換をせざるをえません。厳しい環境下では早めに縮小均衡に達した会社が生き残ることができるのです。つらい選択ですが、そうした難しい決断をすることが経営者の仕事だと思います。(了)

[07/16/21]   【時事解説】早めの縮小均衡が会社を救う その1

記事提供者:(株)日本ビジネスプラン


 企業の使命は利益をあげることです。利益は収益(売上)から費用を引いて算定されますから、利益を出すためには売上を増やすか、費用を削減するかしかありません。

 経営者が第一に考えるべきは、いうまでもなく売上の増加です。取扱い商品の付加価値を増やしたり、営業力を強化して売上の拡大に邁進します。
 しかし、人口減少と将来不安による心理要因で国内需要の低迷は紛れもない事実です。大企業であれば海外進出も有力な選択肢ですが、多くの中小企業の主たるマーケットは国内に限定され、国内需要に依存している限り売上拡大は望み薄という会社も多いかと思います。そのときには、撤退戦略を考えなければなりません。

 売上が減れば、設備が過剰になります。当初は過剰分も有効に活用できるだけの売上確保に奔走します。それは当然の選択ですが、いつまでも資産規模に見合った売上拡大に執着していると、体力をいたずらに消耗し会社自体が持たなくなってしまいます。

 将来を見極め、自社ではいかんともしがたい要因で売上が増えないのであれば、現状の売上に見合う規模に、資産を圧縮する方向への転換が必要となります。採算の取れないところから手を引き、利益率の高い商品やマーケットに集中し、生産や販売体制を縮小することも考えなければなりません。

 これを、決算書という視点から言い換えると、次のように表現することができます。大きな貸借対照表は、金利、減価償却費、在庫管理などの大きな経費負担を伴います。損益計算書の売上は縮小しているのに、貸借対照表が昔のままでは損益計算書で利益を出すことはできません。貸借対照表に見合う損益計算書の拡大が不可能であるなら、発想を変えて、縮小する損益計算書に合わせて、貸借対照表の資産と負債をスリム化しなければならないのです。(つづく)

[07/08/21]   【時事解説】高まるSDGsへの関心と企業の取り組み その2
記事提供者:(株)日本ビジネスプラン

 SDGs(エス・ディー・ジーズ)という言葉を耳にする機会が増えました。SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。17個の目標は、すべての人に健康と福祉をなど、現代社会の課題を凝縮したものになっています。もちろん、SDGsは取り組みが義務化されているものではありません。自主的に取り組む点に特徴があります。

 また、SDGsは気候変動などを配慮するために、経済活動の自粛を要請するものではありません。気候変動に関する代表的な取り組みには、ごみを減らしCO2を削減するといったことがあります。むしろ、SDGsの目標9番は「強靭なインフラ、工業化・イノベーション」、8番は「包摂的で持続可能な経済成長、雇用」がうたわれています。企業はイノベーションを活用して社会の課題解決に取り組み、結果、新たな市場を開拓することで、経済成長や雇用も拡大するという形が基本になります。

 具体的な取り組みを挙げると、ハウスメーカーでは、窓をはじめ建物全体の断熱性能を高めることや太陽光発電などによる「創エネ」を活用して、住宅の省エネルギー化に取り組んでいます。そこには、高い断熱性能の窓の開発や、美観を損ねない瓦型太陽光パネルの開発など、新たな技術が生み出されています。結果、目標13番の「気候変動への対処」を実施しながらも、9番のイノベーションにも取り組むことを実現しています。SDGsはメーカー以外にも、様々な分野で取り組みが可能です。銀行の中には、企業を対象にSDGsの事業化に向けたコンサルティングを始めたところもあります。

 自社はSDGsを活用して何ができるか。検討することは、経営のヒントを探ることに繋がるといえます。(了)

[07/08/21]   【時事解説】高まるSDGsへの関心と企業の取り組み その1
記事提供者:(株)日本ビジネスプラン

 SDGs(エス・ディー・ジーズ)という言葉を耳にする機会が増えました。SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2016年から2030年の15年間で達成する世界共通の目標(ゴール)を指します。内容は、持続可能でよりよい社会の実現を目指すものとなっています。目標は全部で17個あり、社会が抱える数ある課題を凝縮したものともいえます。

 具体的には、1貧困をなくそう、2飢餓をゼロに、3すべての人に健康と福祉を、といった途上国への支援に関するものから、ジェンダーの平等や働きがい、経済成長、気候変動への対策まで含まれます。人・社会・地球などの望ましい未来像を実現するための具体的なルールを集大成としたものでもあります。

 もともと、大企業を中心に、CSR「Corporate Social Responsibility(企業の社会的責任)」が浸透している会社は多くあります。こうした企業は倫理的観点から事業を展開して、社会に貢献しようと考えます。すでに浸透しているCSRとSDGs、両者の違いはどこにあるかというと、CSRは経済・社会・環境のバランスを重視するといった概念的なものが中心になりますが、SDGsは具体的な目標が定められており、より取り組みに直結しているといえます。

 すでに、政府はSDGs推進本部を立ち上げており、94もの自治体がSDGs未来都市に選定されています。企業では、大手の自動車をはじめとする製造業のほか、流通や建設、金融など、さまざまな分野で取り組みが始まっています。TBSではSDGsプロジェクトを掲げ、2021年4月26日~5月5日をSDGsウィークとして番組を構成しました。今後、さらに多くの企業での取り組みが始まることが予想されます。(つづく)

[06/30/21]   【時事解説】2021年版中小企業白書・小規模企業白書の概要 その2
記事提供者:(株)日本ビジネスプラン

 では、2021年版小規模企業白書ではどのような内容が記載されているのでしょうか。ここでは2021年版小規模企業白書の構成に沿ってその概要をみていきましょう。
 第1部では2020年度の小規模事業者の動向について各種統計データ等に基づきまとめています。
 第2部では、「消費者の意識変化と小規模事業者の底力」というタイトルで分析を行っています。

 第1章では「小規模事業者を取り巻く環境の変化と対応」というテーマで分析を行っています。その中で、感染症流行により地元での消費やオンラインショッピングの利用などが増加していることや、小規模事業者の顧客との関係づくりもオンラインツールを活用した取り組みが増加していることなどを指摘しています。

 第2章では、「経営環境の変化に強い小規模事業者の特徴」というテーマで、経営分析、顧客・地域とのつながり、ブランド化、SDGs に着目して分析しています。その中で、日頃から地域とのつながりを大事にしている小規模事業者は売上の維持にもつながっていることや、SDGsの取り組みが小規模事業者の持続的な発展にとっても重要な取り組みと捉えられていることを指摘しています。

 第3章では、「感染症流行下の商工会・商工会議所の取り組みと小規模事業者支援」というテーマで、小規模事業者への支援について分析を行っています。その中で、感染症流行による事業環境の変化の中において、商工会や商工会議所による支援の重要性が高まっていることなどを指摘しています。

 このように、小規模事業者が感染症をきっかけとした社会変容のトレンドや、消費者の新たなニーズを的確につかみ、販路開拓や新事業の創出につなげていくことが重要となるのです。(了)

[06/30/21]   【時事解説】2021年版中小企業白書・小規模企業白書の概要 その1
記事提供者:(株)日本ビジネスプラン

 中小企業庁では、2021年版中小企業白書・小規模企業白書を取りまとめ2021年4月23日に閣議決定し公表しました。
 2021年版中小企業白書・小規模企業白書のポイントとして、新型コロナウイルス感染症が中小企業・小規模事業者に与えた影響や、この危機を乗り越えるために重要な取り組みとして、事業環境の変化を踏まえた事業の見直し等について、豊富な事例を交えながら調査・分析を行っている点にあります。

 2021年版中小企業白書の構成に沿ってその概要をみると、第1部では2020年度の中小企業の動向についてまとめています。第2部では、「危機を乗り越える力」というタイトルで各章において3つのテーマ別の分析を行っています。
 第1章では、「中小企業の財務基盤と感染症の影響を踏まえた経営戦略」というテーマで、感染症流行下における大規模な資金繰り支援が、中小企業を取り巻く金融環境に与えた影響を確認しており、財務の安全性を確保し、時代の変化に合わせて経営戦略の見直しに取り組むことの重要性を指摘しています。
 第2章では、「事業継続力と競争力を高めるデジタル化」というテーマで、事業継続力強化の観点からも中小企業におけるデジタル化の重要性が急速に高まっていることを指摘しています。また、ITツール利活用の現状と課題について明らかにしつつ、デジタル化を成功させる上で重要となる取り組みに着目して分析を行っています。
 第3章では、「事業承継を通じた企業の成長・発展とM&Aによる経営資源の有効活用」というテーマで、技術や人材を引き継いでいくために重要となる事業承継等の進展状況や、M&Aを活用した規模拡大・新事業展開の取り組み事例について調査・分析を行っています。(つづく)

[06/16/21]   【時事解説】社外取締役の数は多ければいいのか その2
記事提供者:(株)日本ビジネスプラン

 会社の個性、人事及び業界の事情をしっかりつかんでおかないと、将来の的確な成長戦略を描くことはできません。倫理観が高く、すべての業界で通用する卓越した経営手腕を持ちながら、それでいて、会社や業界特有の事情にもよく精通しているような社外取締役が多数いれば別ですが、そんなスーパーマンのような社外取締役はそう多くはいません。
 また、社外取締役だから、トップにしっかり意見できるかというと、必ずしもそうとは言い切れません。

 もし、社外取締役の数を増やし社外取締役が取締役会の決定権を握るとしたら、社外取締役は会社の内情に通じていないので、結局、会社のことを熟知している経営トップの独走態勢が強まるといった懸念も生じます。場合によっては、トップが自分の意のままになる社外取締役を連れてきて、取締役会を支配するといった事態も想定されないわけではありません。

 そんなことを考えると、取締役会に一定数の社外取締役を入れることは必要ですが、社外取締役の数を大幅に増やし、取締役会の中枢を社外取締役に任せるというのは、個々の会社の事情にもよりますが、日本の多くの会社の実情にそぐわないような気がしてなりません。企業のガバナンスのためには、いたずらに社外取締役の増加に頼るのではなく、トップをはじめとした社内体制の整備が先決なような気がします。(了)

[06/16/21]   【時事解説】社外取締役の数は多ければいいのか その1
記事提供者:(株)日本ビジネスプラン

 企業のガバナンス強化の柱の一つとして、社外取締役の人数の増加が注目を集めています。日本では従来、生え抜きの社員から昇進した社内取締役だけで取締役会を構成することが多かったことから、個々の取締役がトップである社長や会長の意向に逆らうことが難しく、議論が内向きになり、発展性に欠けると同時に、社会的公正さを逸脱するケースが散見されました。そこで、そうした弊害を除去するために、上場企業ではここ数年来、取締役会に社外取締役を一定数入れることが義務づけられてきました。

 その意図するところは分かります。会社内部の人間だけの会合に、外部からの知見を入れることで、議論は活性化されると同時に、会社内の論理だけでなく社会の論理が反映されることが期待できます。しかし、最近の動きを見ていると、社外取締役の数を増やしさえすれば、ガバナンスは向上すると短絡的に考えているような風潮があり、気になります。

 取締役会は会社の成長や発展のための方策も決定しなければなりません。将来の方向性を考えるとき、過去の実績や将来予想の定量的数値は当然重要ですが、日本ではまだまだ個々の社員の能力、社風や業界の特性といった個別的事情が大きい要素を占めます。無論、社外取締役がそうした情報収集に努力するとともに、会社側からの積極的情報提供が必要なことは当然です。それでも、常に社内にいるわけではない社外取締役は社内取締役と同等にそうした情報を共有することは不可能です。(つづく)

[06/10/21]   【時事解説】インボイス制度とDXの普及 その2
記事提供者:(株)日本ビジネスプラン

 2023年10月より消費税に関するインボイス制度が始まります。
 インボイス制度が始まると、消費税の仕入税額控除を受けるには、原則として、取引相手(売手)が交付した適格請求書が必要となります。
 そのため、制度に対応するための準備が必要になります。

 たとえば、売手側は買手から求められたときは、適格請求書を交付しなければならなくなるため、課税事業者として税務署の登録を受ける必要が生じます。加えて、適格請求書には、適用税率と税率ごとに区分した消費税額などを記載する必要も生じます。また、買い手側は、仕入税額控除の要件を満たすのか否かによって会計処理をする際の仕訳が異なるため、仕入れ先について、課税事業者と免税事業者を分類して、それぞれ異なる処理が必要になります。

 処理が煩雑化する中、電子インボイスに注目が集まっています。これは、文字通り、インボイスを電子化したものを指します。請求書の送り手は、電子インボイスとして電子データで請求書を提供します。受け手側は電子データのまま保存できるので、ペーパーレス化にもつながります。さらに、請求書が電子化されると、消費税の処理だけでなく、仕入など、通常の債権管理の処理も電子化が図れます。最新のソフトを利用すれば、数字の入力作業から銀行の支払いまで自動化でき、業務の効率化も図れます。

 ただ、受取側と送り側、双方が電子化されていないとメリットは薄くなります。インボイス制度の開始により、電子化が普及すれば、送り手、受け手双方のメリットも増大し、さらに普及が進むという好循環が生まれることが予想されます。コロナ禍によりDXが進みました。が、請求書などはまだ紙文化が根強く残っています。インボイス制度がDXの後押しとなる可能性も十分あります。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

[06/10/21]   【時事解説】インボイス制度とDXの普及 その1
記事提供者:(株)日本ビジネスプラン

 2023年10月に、消費税に関するインボイス制度が始まります。インボイスというのは適格請求書とも呼ばれ、一定の事項が記載された請求書や納品書をいいます。

 現在、国に納める消費税額の計算は大まかにいうと、売上税額(売上に含まれる消費税額)から仕入税額(仕入に含まれる消費税額)を差し引いて求めます。仕入税額控除(仕入に含まれる消費税額を差し引くこと)の適用を受けるには、帳簿や請求書などの保存が必要です。

 インボイス制度が始まると、仕入税額控除を受けるには、取引相手(売手)が交付した適格請求書が必要となります。原則、従来の請求書や領収書では控除ができなくなるのです。買い手は仕入税額控除を受けるため、売り手に適格請求書を交付するよう求めるようになるでしょう。そして、売り手側は取引の相手方の求めがあったときは、適格請求書を交付しなければならないと定められています。

 具体的に、適格請求書は従来の請求書や領収書とどこが同じで、異なる点はどこにあるのか説明しましょう。まず、請求書や領収書、納品書、レシートなど、記載事項に漏れがなければ、いずれも適格請求書として認められます。具体的な記載事項には従来と同じように、取引年月日や取引内容、対価の額などが必要になります。従来にない新たに必要となる記載事項は、「事業者の登録番号」「適用税率と税率ごとに区分した消費税額」などが挙げられます。登録番号は、税務署長へ登録申請をすることで得られます。

 インボイス制度が始まると、消費税の処理が煩雑化することが予想されます。そこで、現在の紙の請求書では対応がままならず、電子化が進むことが予想されます。インボイス制度がDX(デジタルトランスフォーメーション)の後押しをする可能性もあるといえます。(つづく)

[06/04/21]   【時事解説】事業承継・引継ぎ支援センターについて その2
記事提供者:(株)日本ビジネスプラン

 では、統合後の事業承継・引継ぎ支援センターにはどのような役割が期待されているのでしょうか。
一つ目の役割としては、事業承継に関するニーズの掘り起こしです。事業承継・引継ぎ支援センターでは、承継コーディネーターを責任者とし、経営者にとって身近な支援機関等による支援のためのネットワークを構築します。そして、ネットワークの構成機関にてプッシュ型の事業承継診断を実施し、経営者の課題や事業承継支援ニーズを掘り起こします。また、エリア毎にエリアコーディネーターを配置し、エリア内の構成機関が実施するプッシュ型事業承継診断をサポートするとともに、構成機関が掘り起こした支援ニーズ先の課題を整理し、承継コーディネーターを経由して課題に応じた支援担当につなげていきます。

 二つ目の役割としては、ニーズを掘り起こした企業に対する事業承継支援です。後継者不在先は第三者承継支援担当が民間M&A仲介業者などの登録機関等を活用してマッチングの支援を行います。親族内への事業承継希望先は親族内承継支援担当が外部専門家を活用した事業承継計画作成支援等などの支援を行います。事業承継時の経営者保証に課題がある場合は、経営者保証業務担当が外部専門家を活用した支援を行います。

 このような役割に基づき、事業承継・引継ぎ支援センターでは①事業承継・引継ぎ(親族内・第三者)に関する相談対応、②事業承継診断による事業承継・引継ぎに向けた課題の抽出、③事業承継を進めるための事業承継計画の策定、④事業引継ぎにおける譲受/譲渡企業を見つけるためのマッチング支援、⑤経営者保証解除に向けた専門家支援などの支援を無料で実施するのです。(了)

[06/04/21]   【時事解説】事業承継・引継ぎ支援センターについて その1
記事提供者:(株)日本ビジネスプラン

 中小企業庁では、2020年6月の産業競争力強化法の改正に伴い、これまで第三者承継支援を行っていた「事業引継ぎ支援センター」に、親族内承継支援を行っていた 「事業承継ネットワーク」の機能を統合し、事業承継・引継ぎのワンストップ支援を行うべく発展的に改組し、2021年4月以降各都道府県において事業承継・引継ぎ支援センターとして活動を開始しました。

 事業引継ぎ支援センターは、後継者不在に悩む中小企業・小規模事業者に対して、第三者への承継(引継ぎ)を支援するために、2011年度に7か所設置されることでスタートしました。その後、各都道府県に設置され、2016年度には全都道府県に設置されました。事業引継ぎ支援センターでは後継者不在の中小企業・小規模事業者と譲受を希望する事業者とのマッチングを支援するとともに、とくに後継者不在の小規模事業者と創業希望者とのマッチングを支援する後継者人材バンク事業の運営を行ってきました。

 事業承継ネットワークは、地域の支援者同士が個別企業支援で連携できる地域プラットフォームを確立し、事業承継に向けた気付きの機会を提供することを目的として、2017年度より都道府県単位で、商工会・商工会議所、金融機関などを構成機関として構築されました。同ネットワークでは事業承継診断を起点としたプッシュ型の支援に連携して取り組むとともに、地域の専門家と連携して踏み込んだ事業承継支援を行ってきました。

 これらの両機関を事業承継・引継ぎ支援センターとして統合することで、事業承継・引継ぎのワンストップ支援を行うことが可能となり、親族内承継や第三者承継(M&A)などの幅広い相談により柔軟に対応することが期待されるのです。(つづく)

[05/22/21]   【時事解説】本当に黒字倒産なのか その2
記事提供者:(株)日本ビジネスプラン

<ケース2>粉飾の黒字倒産
 しかし、話はこれで終わりではありません。黒字倒産と言われるものの第2のケースが考えられます。損益計算書の黒字あるいは貸借対照表の自己資本がまやかしの場合です。

 たとえば、損益計算書の売上高が粉飾であったとしたら、売掛金は架空のものになります。そうなると、売掛金を貸借対照表の額面どおり回収することは不可能ですから、銀行は融資できません。もし、銀行がだまされて融資してしまえば、返済財源が不足し銀行の貸出金は焦げ付いてしまいます。

 あるいは、損益計算書の利益は正しいとしても、土地などの資産に含み損があり実質的に債務超過になっていれば、やはり融資金の返済財源は不足しますから、銀行は融資を渋るでしょう。こうなると、倒産もやむなしといえますから、この場合は“倒産”が正しく、“黒字”が間違いだといえます。

 <ケース2>の粉飾は論外であり、外部からの手助けにより救うことは難しくなりますが、<ケース1>の場合は倒産させてはいけません。そのためには、損益だけを見るのではなく、資金管理(資金繰り)が重要になります。損益と資金管理は経営の両輪です。そのことを経営者は再認識しなければなりません。(了)

[05/22/21]   【時事解説】本当に黒字倒産なのか その1
記事提供者:(株)日本ビジネスプラン

 「黒字倒産」という言葉がありますが、常識的に考えると違和感のある言葉です。儲かっている会社は倒産しないはずですから、“黒字”と“倒産”は本来両立する言葉ではないように思うからです。“黒字”か“倒産”のどちらかが間違いなのかもしれません。

<ケース1>本当の黒字倒産
 倒産は損益計算書で計算される利益とは関係ありません。倒産とは約束した債務を支払えない状況ですから、支払期日に支払金額に相当するキャッシュがなければ倒産してしまいます。
 たとえば、以下のような損益計算書と貸借対照表を持つ会社があったとします。
<損益計算書>
売 上 高:200
売上原価:100
当期純利益:100
<貸借対照表>
売掛金:200/買掛金:100
       /純資産:100
       /(当期純利益:100)

 これを見る限り、利益は上がり純資産もあり、何の問題もない会社だと思っても不思議ではありません。問題は売掛金と買掛金の支払期日です。この会社の資産は売掛金だけですから、買掛金を支払うには売掛金が現金化されなければなりません。ところが、買掛金の期日が4月末日なのに売掛金の期日が5月末日だったとしたら、買掛金の支払いができなくなってしまいます。これが黒字倒産です。

 しかし、本当にこのような形で黒字倒産するとすれば、関係者は愚かです。この例でいえば、銀行は4月末に決済資金100を融資しても、5月末には200の売掛金が回収できるのですから、銀行の融資金回収に問題ありません。この場合、“黒字”は正しく“倒産”が間違いです。こうした会社は倒産させてはいけません。こんな道理が分からない銀行と、銀行を説得できない経営者がいるとすれば、大いに糾弾しなければなりません。(つづく)

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